セントビンセントってこんな国
カリブ海にあるセントビンセント島と大小600の島々グレナディーン諸島からなる国です(メインの島は32程)。国土面積 389km2 のうち 344km2 がセントビンセント島で、全人口約11万人のうち約90%がセントビンセント島に住んでいます。カリブ海の美しいビーチと、スフリエール火山やバーモントネイチャートレイルなどの熱帯雨林といった豊かな自然が魅力です。
セントビンセントの経済は、伝統産品のバナナを中心とする農業に加え、1980年代半ばから急速に開発が進められた観光業が中心です。小島嶼国であり、欧米経済や自然災害などの外的要因に大きく影響されやすいという脆弱性を持ちます。
2003 年の国内総生産(GDP)は 371 百万米ドル、1 人当り国内総所得(GNI)は 3,310米ドル(2005 年世界銀行資料)、また産業別 GDP 内訳は、第一次産業(8.7%)、第二次産業(24.4%)、第三次産業(66.9%)となっています。同国の主要産業は農業であり、かつてサトウキビの栽培が盛んでしたが、降水量が不安定であるため農園経営は衰退し、その後は熱帯性気候や火山灰土壌に適したバナナの栽培へと移行しました。現在の主な農作物はバナナで、他にクズ、ウコン、ナツメグ、ココナッツなどが栽培されています。製造業はセメント、家具、小麦粉、砂糖など一部にかぎられています。この他、沿岸漁業及びグレナディーン諸島を中心とする観光業が盛んで、11 月から 2 月にかけては欧米からの避寒の観光客が訪れます。2019年の実績として約7.3万人の宿泊者、クルーズシップからの滞在者は約25万人、観光客の消費額は約385億円(約249百万USD)でした。
セントビンセントの食料輸入額は2020年は約314億円(約200百万USD )でした。全体の輸出入の比率は輸入:輸出が14:1です。翌年はさらに増加しました。コロナ禍2020年4月のWFPの調査では、調査前の週に食事の回数を減らした人が38%、一日中何も食べない日があった人が8%いました。今後も食糧危機が世界中で拡大していくことを考えれば日本同様に食料自給率をあげることはセントビンセントにとっても差し迫った課題です。
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